前回、ローカル環境(Windows 10)にバージョン管理システムであるGitを導入する方法について書きました。
server-engineer.hatenablog.com
今回は実際に、ソースコードをバージョン管理下に登録してバージョン管理を行う手順について述べたいと思います。
目次
リポジトリの作成
まず、「リポジトリ」というものを作成します。
詳しくは述べませんが、簡単に言うと "バージョン管理するための入れもの(家)" です。「リポジトリ」を作ることで、バージョン管理したいファイル等をそこに登録することができ、差分などを確認できたり、特定バージョンのファイルを取り出せたりなどします。
今回はローカル環境に作って、ローカル環境からアクセスしますが、特定のサーバに「リポジトリ」を作成し、外部から特定のポートを使って、その「リポジトリ」にアクセスして利用することもできます。
それでは、「リポジトリ」を作成します。適当な場所に作ります。
例では、 Dドライブ直下に "git"フォルダ を作成し、テスト用のリポジトリとして以下の通りしました。
D:\git\test.git
リポジトリ名は ~~~.git と最後に ".git" を付けるのがよくあると思います。
何もないところで右クリックを押して、「Git ここにリポジトリを作成(Y)...」をクリックします。
下記のようなウィンドウが出るので、「Bareを生成(作業ディレクトリーを作りません)」にチェックを入れて、OKを押します。
※ウィンドウに書いてある内容の通りなので説明は省きます。
そして下記の通り、初期化が完了し、いくつかのファイル等が自動的に生成されます。
これで「リポジトリ」の作成は完了です。
FuelPHPソースコードを登録
まず、リポジトリからクローンを行います。リポジトリに登録されているファイルを取得するイメージです。
ソースコードを展開したい場所の何もないところで右クリックを押して、「Git クローン(複製)...」をクリックすると下記のウィンドウが開きます。
URL のところに、先ほど作成したリポジトリのパスを入力します。
(例. D:\git\test.git)
入力すると自動的にディレクトリも決定されますが、ディレクトリ名を変更したい場合は手動で変更します。
そして、OKボタンを押します。
上図の通り、リポジトリからファイルの複製が完了します。
出来上がった "test"フォルダの中身を見ると ".git"フォルダという隠しフォルダがあるだけです。(隠しフォルダが見えない場合は、上メニューの表示タブに切り替えて 表示/非表示 に "隠しファイル"項目があるので、それにチェックを入れると見れるようになります。)
次に、この "test"フォルダ内に FuelPHPファイル をコピーしてきます。
そしてコピーしてきたFuelPHPファイルすべてを選択して右クリックを押して、「TortoiseGit」→「追加」をクリックします。
どのファイルを追加するかのウィンドウが開かれるので、ここはそのままでOKをおします。
追加処理が完了できました。
次は、追加したファイルをコミットしていきます。
変化点を登録する手順になります。
※厳密に言うと先度作成したレポジトリに登録されるのはこの手順ではありません。Gitは簡単に言うと リポジトリのクローン(複製)を行ったときに、リポジトリがもう一つ作成され、ローカルリポジトリと指します。一方、クリーン元は リモートリポジトリ と指します。コミットは複製したローカルリポジトリへの登録作業になります。口述するプッシュ作業でローカルリポジトリからリモートリポジトリへ変化点内容を送り登録となります。
何もないところで右クリックを押して、「Git コミット」をクリックすると、下記の通りウィンドウが表示されます。
上のメッセージ欄に、コミット内容を自由記述できます。プロジェクト内でコミット時のメッセージテンプレートが決まっているなどあれば、それに従って記述してください。
下は変更した項目が一覧で見れるようになっています。状態のところでは 追加/変更/削除 などの情報が出ます。
メッセージ内容が入力出来たらコミットを行います。右下のボタンにあるように コミットしてすぐにプッシュすることもできますが、今回は説明も兼ねているので、分けて行いたいと思います。
"コミット"をクリックすると、コミット作業が実施されます。
これでコミット作業は完了です。
最後に、リモートリポジトリへのプッシュ作業を行います。
testフォルダ直下の何もないところで右クリックを押して、「TortoiseGit」→「プッシュ」をクリックします。
プッシュウィンドウが表示されるので、ここは何も変更せずOKボタンを押します。
これでプッシュ作業は完了です。
これで、テスト用のレポジトリにFuelPHPソースコードを登録することができました。
登録対象外ファイルの設定
TortoiseGitではバージョン管理下にあるファイルの状態をアイコンで表示する機能を持っており、一目でわかりやすいということが良くて、私は好んで利用しています。
今回FuelPHPのすべてのファイルに対して追加しようと作業を行ったのですが、バージョン管理下に入らなかったファイルも存在しました。その理由としては、登録対象外ファイルの設定を行うためのファイルが FuelPHPにはあらかじめ入っており、その設定内容が適用されたことで、Gitに登録されなかったということです。
その登録対象外ファイルを設定するファイルは ".gitignore" という名前になります。
中身を見てもらえばわかると思いますが、登録したくないファイル名を一行ずつ記載するようになっており、コメントアウトもかけたり、ワイルドカードなども使うことができるので便利です。詳細仕様までは触れませんが、必要あればすでに記述されている内容をまねて変更するのもありです。
※Eclipseでプロジェクト作成するとできる設定ファイルや、エディタが生成する一次ファイル・バックアップファイルなども対象外にできるのでとても便利です。
これで今回と内容は以上となります。
次回は、コミット履歴を簡単に閲覧できる方法などについても記載できればと思っています。
では!